仏縁を結ぶ
お釈迦さまは弟子のアーナンダに足もとの土をとらせて、
「この世の中に生きているものは、大地の土のようにたくさんいるけれども、人間に生まれるのは、手のひらの土ほどのわずかなものだ。よほどに幸せなことだ」
と話されました。さらに、手のひらの土を指の爪ですくい、
「手のひらの土が人間ならば、仏の教えを聞くことができる者は爪の上の土ほどで、喜ばねばならない」
とおっしゃいました。
「爪上の土」(そうじょうのど)のお話
「あなたは何のために今生きているのですか?」
この人生の根幹を問う問いかけに、答えることのできる日本人はそれほど多くはないかと思いますが、タイやチベット、ミャンマー、インドなどの子どもたちは、みな即答するそうです。
子どもなのに、なぜ答えることができるのか?それは、いつも身近に“仏教”という教えがあり、そこから多くを学んでいるからです。仏縁に触れることで、自身の命や人生について深く考え、生き方を見つめ直し、大切なもののために行動することができます。
あなただけの“生きる”意味を見い出すために、日々の生活の中に、仏教を取り入れてみませんか。
つながるいのちとは
私たちは誰しも社会の中で、何らかの組織に属して暮らしています。
70億人が住んでいると言われるこの地球上で、21世紀のこの時代に私たちが出会い、語り合い、尊び合い、触れ合い、喜び、悲しみ合えることができる人々はごくごく限られています。実に貴重なご縁だと想いませんか?
もちろん、私たちが吸っている空氣や飲んでいる水、いただいている植物、動物の命にもご縁があります。
そして、たくさんの先人の方が困難な時代を切り開いてくださったからこそ、今、私たちがここに居ることができるわけです。
「たくさんのつながりの中で生かされている存在である」ことを、ともすれば忘れてしまう忙し過ぎる(まさにこの忙しいという漢字に表れています、心が亡くなると書きます)毎日の中だからこそ、つながりを意識して生きることが大切だと想います。
人間は刺激に反応する生き物です。「たくさんのつながりの中で生かされている存在である」事を忘れ、近場の刺激にもっともっとと欲望の炎をたぎらせてしまう傾向があるのが人間です。しかし、周囲の刺激に反応して生きることができるほど、私たちの住んでいる世界は簡単ではありません。なぜなら、尽きることがなく満たされることのない欲望は、あなたの心を渇望状態にし続けるのです。この状態で生き続けることは大変つらいことです。
人生の意味
「あなたは何のために今生きているのですか?」
これは人生の三大質問の一つと言われています。
この問いに答えを持っている方は、自信をもって生きることができます。
そうでなければ、人生のたくさんの場面で、悩み苦しむことになるのではないでしょうか。
つながりとは
絆・つながりとよく言われる時代ですが、果たしてその言葉の意味を私たちはどれだけ真剣に受け止めているのでしょうか?
つながりに焦点を当てて生きることは、自身の居る位置を明確にします。つながりの本当の意味を知る事ができれば、もっと美しい社会になり、私たちも、もっと心豊かに生きることができるようになります。